昨日「穀雨」。
暦に合わせるように降った雨も上がって、今朝は空に呑気な雲が流れている。
頭の上から
ツピーッ、ツピーッ、ツピーッ
とシジュウカラの声。
一番高い電線に止まって、イバって鳴いている。
昨夜、陸游の詩集を読んでいたら、こんな一句があった。
百花散盡綠陰成
(百花散り尽くして緑陰成る)
なあるほど、うまいこと言うものだ。
雨あがりの今朝にぴったりだ。
それにしても、漢詩の一行にはなにやら格言めいて見えてくるものがある。
とはいえ、緑の中にも花はある。
万緑叢中不意に目を撃つ、真っ白なヤマボウシの花。
あるいは、そこに薄くれないをふくむハナミヅキ。
そういえば、昔こんな戯れ歌を作ったことがあったなあ。
ゆくりもしらに ゆくみちに
こはうすべにの はなみづき
きみにあはずて はやみつき
かぜのたよりも まどおなる
思えば、その人に会わなくなって、今はもう十年は過ぎたらしい。
茫々たる日々よ、茫々たる年月。
紅をふくんでいたはずのその面影さえもはやおぼろである。