永遠に咲かない薔薇がないやうに
詩よ!僕の指にも咲きたまへ

 

夏の優しい夕暮れに
花束を買う街の人たち

 

あなたたちの静かな頬に咲く
微笑のやうに微笑のやうに

 

― 北園克衛 「六月の蜜柑水」―

 

冬に150円で買ってきたちいさなバラの鉢。
春になって外に出しておいたら、梅雨の雨に濡れて、いつのまにか、なんだか丸いつぼみをふくらませて、昨日小さなバラ色の花が咲いた。

 

まことに
「永遠に咲かない薔薇はない」
のですなあ。

私は、なんだか「星の王子様」になったような気になった。

 

はてさて、私の指にも、花買う人に頬に静かに浮かぶ微笑のような、そんな詩が咲かせられたらいいのだが。