愚かさとは、必ずしも単なる知性の欠如ではない。

それは堕落の一種でありうる。

善良な心の持主が、本当に愚かになれるかどうかは疑わしい。

 

― エリック・ホッファー 「魂の錬金術」 (中本義彦訳)―

 

 

 

 

 

新聞を読むと、未曾有の広域豪雨が西日本を襲い、100人を超える死者・行方不明者が出ているという報道が、止むことなしにテレビから流れていた日の午後、その午前中「先手先手で取り組む」と会議で発言していたわが国の首相は、自宅でのんびりお休みを取っていたらしい。

彼は、これこそが自分が大好きなはずの「緊急危機事態」であることすら認識できないほどのバカである。
その男が、丸五年も首相を務めていて、それでも平気な国民の気がしれない。
死刑になった麻原について、なぜあのような者を若者は信じたのか、などと、利いたふうな口を利く人がいるが、私に言わせれば、すくなくとも安倍を支持している者にそれを言う権利はない。
あなたたち自身が、信じられないほど荒唐無稽な人物を支持してるのだから。

同じく、ホッファーからもう一文引用しよう。

善良で礼儀正しいふりをする必要を感じない者には、注意すべきである。
そうした偽善の欠如は、最も堕落した冷酷無情の能力を暗示しているからである。