神奈川県を高速で走る東海道新幹線の車内で、30日に起きた火災。油のようなものを自らかぶって死亡した林崎春生容疑者(71)は火をつける直前、涙を浮かべていたという。

― 7・1 朝日新聞 朝刊 ―

 

どう言うべきなのだろうか。
今朝の新聞を読んで、哀しい思いが消えない。
巻き添えになった方々を思えば、そんなことは言うべきことではないのだろうが。

 

林崎容疑者は先頭のデッキに行くと、そこにいる男性にたばこを勧めた。男性が断ると「危ないから(車両の)中に入りなさい」と声をかけたという。さらに最前列に孫2人といた女性に「お金が落ちていたからあげるよ」と千円札を数枚渡した。断られると、テーブルの弁当箱にはさんだようだったという。

その後、持っていた容器から液体を体にかけ始めた。女性が「やめなさい」と言うと、「あなたも逃げなさい」と応じ、女性が逃げると、持っていたライターで火をつけて倒れたという。

 

71歳。
その人が、どのような人生を歩んできたのか、むろん私は知らない。
だが、とてもさびしかったのだろうと思う。

うまくは言えないが、いま心の中にあるしずかな哀しみが消えない。