企者不立、跨者不行。

 

 

        企(つまだ)つ者は立たず、跨(また)ぐ者は行かず。

 

 

     つま先で立つ者は(長くは)立てず、大股で歩く者は(遠くまでは)行けない。

 

― 『老子』 (木村英一 訳) ―

 

老子にこんな言葉があります。
人々は、これを智慧ある人の言葉として、2000年以上にわたって伝えてきました。

 

つま先で立つ者は(長くは)立てず、大股で歩く者は(遠くまでは)行けない。

 

足裏を地につけ、自分の歩幅で歩いている者だけが、爪立つ者や跨ぐ者たちの危うさを言うことができます。
彼らのおかしさをおかしいと言うのに必要なのは、むずかしい理屈ではなく、自分が、自分の足裏で立ち、自分の歩幅で歩いているという、その一点であるはずです。

「民意」とはそのような者たちの意見のことです。