久しく行き、久しく坐し、久しく立(たち)、久しく臥(が)し、久しく語るべからず。
― 貝原益軒 「養生訓」(石川謙 校訂)―
なんだか奇妙である。
寒くないのである。
十月も二十日を過ぎた夜だというのに、今の私は半袖のTシャツ一枚でいるのである。
「今年の秋は暖かいからね、みんなそうなんだよ」
というわけでもないらしい。
たばこを買いに外に出てみると、半袖姿で歩いているのは私ひとりなのである。
あれえ~。
おかしいなあ。
いったい何が起きているんだ!
ずっと飲んでいた《養命酒》のせいだろうか?
それもありそうな気がするが、あのすばらしい《養命酒》は、暖かくなったというので、四月で飲むのをやめたのである。
なのに、秋になっても冷えないのである。
寒くないのである。
言っておきますが、例年なら、わたくし、当然のように、一か月前にはすでにモモヒキをはいている。
今時分なら、カーデガン、もしくはセーターの世界である。
それがいまだにモモヒキなしの半袖シャツなのである。
うーん。
よくわからんが、この年になって、体質が変わってしまったらしい。
どうやら地球温暖化に先駆けての、体質温暖化なのである。
この一ヶ月テレビのニュースを見なくなって、あの人の顔を長らく見ないで済んでいるせいなのであろうか?
それとも、ほぼ同じ頃から、意味もなくはじめたダンベル運動のおかげなのかしら?
でもなあ、そんな簡単なことで、冷え性というのは劇的に直るものなのであろうか!
(この辺のところは前野宗匠の御意見を伺いたい!)