「必要は発明の母」なんてことを申しますが、必要からだけでは、けっして発明なんてものは生れないものですな。
子どもなんてものは母親だけでは生れないようになっているのは、なにも人間さまに限ったことではない。
では、「発明の父」は何か、ってことになりますってぇと、これはなかなかに特定はできない。
特定はできませんが、それでも、
「こんなことやるの、めんどくせえな」
という、人間のなまけ心と、あとは、その人間がヒマであることていうのが、相場になっております。
「ヒマであること」と「必要」とはいわば正反対の概念なんですが、陰陽二つ合わさって新たな生命が生れることは、古代中国以来の常識です。

などと、わけのわからぬ御托を並べましたが、別にたいしたことを書こうと思っておるわけではない。
要は、今日ふかし芋を作ってみた、というだけの話なんです。

あのですね、実はわたくし、今年に入って、ゆで卵をやたらに食べるようになったんですな。
別に深い理由があるわけではなく、はじまりは、箱根の大涌谷がたいへんだと言うので、黒卵というのが食べられない、ということが、何やら一大事のように報じられていたころのことです。
「けっ、なにが、黒卵じゃ」
と思いながらも、大涌谷の湯気で、ゆで卵ができるんなら、今炊飯器からさかんに立ち上っている湯気でも、できるんじゃないか、とヒマな老人は考えたわけです。
で、まあ、翌日、こんな具合に、コップの中に卵を入れてですな、置いておいたわけですな。

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するとまあ、こんな立派なゆで卵になるわけです。

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ラクですな。
手間要らず!
大きなコップに三つ入れると、その三つともちゃんとゆで卵になっている。
子供らに御馳走したりするわけです。

さて、季節はめぐり、秋。
というわけで、昨日、子どもの一人が好物の柿を持ってきてくれました。
実にうれしい。
葉っぱがちょいとついているのもある。
いいなあ。
おまけにサツマイモも三本。
あんまり大きくはない。
どれも大きなコップに入りそうなくらいのかわいい奴だ。

いけるかも!
いってみました。

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いやあ、立派なふかし芋です。
ホクホクおいしい。

でもね、ゆで卵と違って、このふかし芋には大いなる難点があることが判明しました。
芋を食べてしまうとお腹がふくれて、せっかく炊いたご飯を食べることができなくなってしまうのです。