耐えしのぶのではなくてみずから進んでする、これが愉快なものの本質である。
― アラン「幸福論」(石川湧 訳)―
「やったあ!」
と言いながら、2年生のゴロ―君が部屋に入って来る。
「じゃじゃーん!」
と言って彼がかばんから取りだしたのは、こないだの定期試験の社会の答案。
100点!
「うわー!」
「すげえぇ!」
部屋にいた三年生や試験勉強に来ていた高校生も声を上げる。
そう、小学校のテストはともかく、中学に入っての100点はなかなか取れるものではない。
読者諸兄諸姉はいかがだったでしょうか。
わたくしだって、実は取ったことがあるんだかないんだか。
ところで、もちろん、ここで、わたくし、この塾の教育の優秀さをイバってみせたいのですが、実はわたくし、塾で彼に社会を教えた事なんて一度ないんですな。
まあ、社会で100点取る、なんて子は、たいがい学校の授業をおもしろがって聞いている子に決まっていますからね。
私に教えることなんて何もない。
それにしても、ゴロ―君、エライ!