世の中の人は今日でも政治に熱中するのでありまして、なにをおいても政治というものにやかましいことでありますが、私は政治というものは人間の生活の中では原始的の下等なことだと思っております。

― 内藤湖南 「東洋文化史研究」 ―

 

 

大晦日、読んでいた本で碩学のこのことばに出会う。
そのことを幸としてこの一年を終えようと思う。

 

同じ本(中央公論 「日本の名著 内藤湖南」)には、こんな言葉もあって笑った。

 

博奕(ばくえき)なるものあらずや、これをなすはなおやむに賢(まさ)る。
筆墨なるものあらずや、これを弄するはすなはちなお博奕にまさることなからんか。

                                                                 「近世文学史論」自序

 

この言葉を糧に、よき500日にしようと思う。