何もかも受身なりしと思ふとき机のまへに立ちあがりたり
柴生田 稔
・・・などという若い頃の愛誦歌を思い出したのは、別にわたくし、自らのふだんの「受身な態度」に突然憤りを発してしまったわけではなく、今日部屋に素敵な机がやってきたからなのである。
まあ、単に、《机》 ということだけでこの歌を思い出した ということだけなのであります。
さて、その机というのは、愛ちゃんのお母さんが、家で使わなくなったのでいかがですか、と下さったもので、縦2メートルあまり、横70センチ余の頑丈、かつきわめて使い勝手のいい机である。
なおかつ、すこぶるうつくしい。
なにやら、図書館の学習室にすわっているみたいで、言うてみれば、子どもたちのみならず、私までが、たいそう学問がしたくなる机、なのである。