時により過ぐれば民の歎きなり八大竜王雨やめ給へ

 

                         源実朝

 

九州のあまりの水の被害にぼうぜんとする。

流れのたうつ濁流はまさに「竜」そのままのである。
激しい流れに、木々は皆、まるで芋の子のように表皮を剥かれ、累々たる白骨のように積み重なっている。
おそろしといふもおろか、である。