草野球だとライトはあんまり上手じゃない奴にやらせたりする。
そのレベルにもよるが、私のリーグは6チームあり、私のチームは今のヤクルト・中日クラスだ。
一昨日、広島クラスのチームと練習試合をし、久方ぶりに参加した。
公式戦は初めの2試合(全10試合)だけ行ったがご無沙汰していた。
ウチのチームは弱いけれどもメンバーが多くて出番薄なのだが、その日は参加者が少なめで、私は先発ライトをやらせてもらった。

誰から教わった訳でもないが、まあ漫画とか野球中継とか長年観ているうちに覚えたこともある。

三塁ゴロやショートでも三遊間のゴロなら、打った瞬間ライトはダッシュしなければならない。
ファーストのカバーだ。
ゲッツー狙いでサードやショートが二塁ベース上に送球する時もカバーにいかねばならない。
これを忠実に実践しているチームは我がリーグには見当たらず。

 

先日『KANO』というビデオを観た。
太平洋戦争前、台湾が日本の統治下にあった頃、台湾から甲子園に出場した高校野球の話だ。
外野手の構えが見慣れているものと違ったのだ。
普通は打者方向に両爪先を真っ直ぐ向け、両足は肩幅より開き相撲の仕切りのように腰を落とす。
その映画では打者に向かって中距離ランナーが今からスタートするように、左足と右足がほぼ一直線になっていた。
投手がモーションに入るとぐっと腰を落とす。

かくして、すぐ真似したがりの私は練習に取り入れた。何がいいかというと、これは集中力が高められる。ランナーが号砲を待つ感覚だ。私の場合はこの方がスタートが切りやすいのを実感した。

そして試合当日、ファースト、セカンド、ライトの真ん中辺りにフライが来た。
阪神の西岡みたいな元気のある内野手は我がチームにはおらず、(一塁手、二塁手とも一歩だに動かず)私はおよそ15メートルは走ってランニングキャッチしたことでした。
ボールがグラブの中で少しはしゃいでましたが、めでたしめでたしでした。

 

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おたよりありがとうございます。

さすが、司氏。
ビールを飲んでただ漫然と野球を眺めておる私とはまるで違うんですな。
何もせぬ時、何もしていないにもかかわらずいかなる形(フォーム)で「待つ」ことが、次に起こるかもしれぬ事柄にもっとも機能的であるかを意識的に探していらっしゃる。
そして、ただそれに気づくだけでなく、実際にやってみて、その是非を試してみている。

そこが、私みたいな一見評論家風の口舌の徒とは違うところです。

 

老い猫の開かぬ目で飲む秋の水

 

すてぱん