いつでも立ち去る用意のできていない部屋では、埃が厚くたまり、空気はよどみ、光はかげる。

 

 

  ― ダグ・ハマーショルド 「道しるべ」(鵜飼信成 訳)―

 

こういう言葉を読むと、なるほど、私の部屋に、埃が厚くたまっている理由がよーくわかる。
さぞや、兼好の部屋には埃はなかったろうと思う。
そう思って、今日はいつもより念入りに朝の掃除をした。

今日で高校生の試験も終りだから、昼間は誰も来ない。
また静かな午後が始まる。

今日は柴田翔訳の「ファウスト」の【第Ⅰ部】を読んだ。
今日は曇っていたので、午後三時を過ぎたころに灯りをつけねばならなかった。

私たちが子どもの頃の国連の事務総長はウ・タントという人であった。
子ども心に不思議な名前だと思っていたのでよく覚えている。
その前任者が今日言葉を引用したハマーショルド氏だった。
この人の名もラジオのニュースでよく聞いた。
61年に飛行機事故で亡くなったというから、私の小学校の低学年の頃の事務総長だった人なのだ。

この人の日記のようなメモのような「道しるべ」という本は、毎年1月の1ページ目には、必ず

《夜は近きにあり。》

と書きつけてある。
よく生きるためには、そう思うことが大事なのだと思う。

どうでもいいことだが、私の余命カウントダウンも今日で578日になった。
秋の日のつるべ落とし。
夜は近きにある。