冒頭とラストに「太極拳」のシーンが入る。
こう言っただけで観客があと二人増えそうだ。(前野師範と邑井)。
師範には必ずイチゴンあるべし。
(昔デ・ニーロ似と言われたこともあるらしいし)。
さて、今回は相当ひねくれた見方をしてみよう。
アメリカ政府がハリウッドに年間500億円拠出している、という話がある。本当か嘘かは分からない。
が仮に本当だとしてみまいか?。
何のために?プロパガンダ、宣伝?アメリカを是とするために?
アメリカがやっている力の行使を是とするため?
ビン・ラディンを捕まえようとする映画もありました。
古くは『ランボー』なんかもその類いかもしれません。
『マイ インターン』には性悪な人は一人も出てきません。
ドンパチや殴りっこもなしです。
70歳の新米をみんなが温かく、快く受け入れ、それに輪をかけて主人公は卒がない。
孫にちょっと聞いただけでナンタラメモリー(パソコン)で募集に応募し、会社では控えめに周りの人に適切なアドバイスをし、機知に富み、言うことなし。
ハイ シニアのハイは人格と能力の高さともいえるくらいだ。
アメリカの年金制度がどのようなものか見当もつかぬが、この主人公は完璧に健全なアメリカ人として描かれている。
心身共に健全である証拠を示す「男」のシーンもある。
太極拳も健全さを示すためだったのか?!
こんな完璧なアメリカ人が果たして何%いるのだろう。
かくも今のアメリカ、それにアメリカ人は健全である、というプロパガンダにも思えてくるのだ。
ぼやんと観る限りでは、優しい秋の陽射しの中にいるような快適な映画ではある。
かくいう私もぼやんと観ていて満足したのだった。が、しばらくするうちにそんな出来すぎのアメリカにケチをつけたくなってきた。
そして、こんなふうに考えてみた。
先ず初めに、周りの人に優しい人だらけのアメリカを描きたい、という意図ありきと。
そしてハイ シニアに優しくする。
ハイ シニアは完璧な健全さを持って周りにアクションを起こしていく。
就職させてみようか。
そこで思いついたのが、就職シーンから始まるヒット作『プラダを着た悪魔』だ。
そして『プラダ』で新人(インターン)を演じたアン・ハサウェイを引っ張り出し、今回は社長役としたのだ。
そして、
私が見たポスターの右下隅にこんな文句が書かれることとなった。
<『プラダを着た悪魔』の続編が完璧な形で実現した>と。
『プラダ』が評価されたりヒットしたのは、主人公の新人が完璧でなかったからだ。
恋人に去られ、友人を失い、そして自分を見つめ直す作業をしたからだ。
親とか学校から離れると、会社の中で適切なアドバイスをしてくれる人がどれくらいいるだろう。
それより私を受け入れてくれる人がいるのかどうか。
それらを乗り越えられるかどうかは「個人の力量」ということになってくる。
もちろん受け入れてくれる人が多いに越したことはない。
友達がいるに越したことはない。
確かなのは、腕立て伏せをすれば筋力がつくということ。
雪かきをすれば、しただけ歩く所が増えるということだ。
そういう意味では『マイ インターン』の主人公は募集に応募した。
トンネルを抜け出そうとする意思と行動力があった。
「トンネラー」という言葉が既にある。
自力で抜け出せる人のことをいう。
さて、そういう力量がない人、あるいはないと思い込んでいる人、又は力量はあるけど人格が備わっていない人はどうしたらいいのだろう。
追伸
本日、孫(娘)が産まれました!初孫。
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おたよりありがとうございます。
遺憾ながら、小生、『マイ インターン』はもとより『プラダを着た悪魔』も観たことがないので、何も書けません。
が、今日の話はそっちじゃないでしょう!
(というわけで、思わず赤字にしてしまった)
お孫さんの誕生、おめでとうございます!
いやあ、知らんかったからびっくりしました。
なにやら、ニコニコしますな。
なにしろ、司氏もおじいちゃんですからな。
てことはですよ、奥さんはおばあちゃんですよ!
すごいなあ!!
高尾の司邸で句会をやっていたころを思い出しますと、なにやら茫々たる思いがいたします。
これから、司氏も、おじいちゃんとしての「教育研修期間」ですな。
Your intern !
今夜はいつにもましておいしい酒でございます。