唇はキスをするためにではなく、悔しさを噛みしめるためにあることを知った32歳の冬。少年のころからの夢を追った代償は、無収入だった。
― 前野ウルド浩太郎 「バッタを倒しにアフリカへ」―
前野ウルド浩太郎 「バッタを倒しにアフリカへ」
読み始めたら、いやはや、おもしろいこと、おもしろいこと。
「坊っちゃん」とか「福翁自伝」を読んでいるような楽しさと言おうか。
あまりにおもしろくて、ところどころ声を上げて笑うもんだから、そのたびに、笑っている私を試験前の自習に励んでいる子どもらが笑っている。
読めば、元気になる。
この人、人生がおもしろいだけでなく、文章がとてつもなくうまい。
おすすめです。