陽春二三月
草與水同色
攀條摘香花
言是歓氣息
孟珠
きさらぎやよひ春さかり
水は草色あさみどり
枝をたわめて花摘めば
恋しき人の香ぞ匂ふ
今が旧暦の三月なら、こんな漢詩もいいかと載せてみました。
花の香をかいだところで、「歓気息」と書かれた「恋人の甘い吐息(?)」どころか、「昔の人の袖の香」さえ思い出さぬ身なのではありますが。
ただ今、午後二時。
気温は25度を超えているのだとか。
公園に行けば、藤棚に花房垂れ、その薄紫のあまりの豪奢に、クマバチたちは狂喜して翅を振るわせ、音立てて飛び回っておりました。
人の世は、世も末の末のありさまではございますが、自然ばかりは、そんなことなぞ忘れよと、心地よきばかりに、げにげに、春ぞたけにける、でございます。