散りいそぐ花よりはやし霰来て
昼頃でっかい雷とともに霰が降りました。
さてさて、今頃ですが、貴方から拝借した『詩歌の待ち伏せ 3』の中に横光利一の話があり、街の中ある店先の前で上(空)を睨むようにじっと佇んでいる利一に高見順他一名は(怖くて)声を掛けれなかったという。
それで貴方は全く記憶にないだろうが、昔津田沼から(確か)菊地君の見舞いに行くために貴方と一緒に電車に乗った時のことを思い出した。
私の存在をまるでうっちゃらかして、貴方は上の方を睨むようにしていた。
完璧周りとの空気は遮断されていた。
ということで、今まで一度もひもといたことのない横光利一の本を親父の本棚から探し出した。
ちょっと読んだだけでは中身はピンとこないが、驚いたのは昭和12年撮影の写真。
少し似てます、貴方に。
彼が40歳の時のもの。
すでに日本を代表する作家として自信気な感じ。
「なーん、似とらんわいや」
という諸氏の声も聞こえてきそうですが、うちの嫁さんは
「ほんとや、少し(写真の方が太っとるけど」
と言ってました。
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おたよりありがとうございます。
横光利一、ですか。
そんなこと、思ったことも、言われたこともなかったけれど、言われて写真を見てみればそんな気もするから不思議です。
元消防庁総監・北村「鴎外」氏に向うを張って、テラニシ「利一」を名乗ればよかった!
もっとも、「ナポレオンと田虫」を読んでた頃のわたしはボウズ頭だったからなあ。
そしてまた、言われてみれば、若い頃のわたしは、たしかに「完璧周りとの空気は遮断されて」いたことが多々あったような気がしてきました。
何を思っていたのか、何も覚えてはいませんが。
そちらは霰だったんですか。
こちらも、昨日は一日風が吹き続き、桜はすっかり散ってしまいました。
今日は、春らしい白い雲が、ぽかり、ぽかり、浮かんで、東に流れております。
春の雲ほうつと白く過去遠く 風生
歳時記を開いたらこんな俳句が載っていました。
春霰昔寺町青不動
すてぱん